先日ブラックメタルバンドの先駆者Mayhemのメンバーによる史上最悪の事件を描いた『ロード・オブ・カオス』を記事にしましたが、
今回はメタルの聖地フィンランドによるフィンランド映画史上最大規模の資金を投入して制作されたメタルコメディ映画『ヘヴィ・トリ ップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』をご紹介します。
前回はシリアスで今回はコメディというかなり振れ幅の大きい作品のご紹介しましたが、こういうB級映画も大好きなので許して下さい。
予告編を観るだけでもぶっ飛んでてコロナで暗い話題が多い中、腹筋ちぎれるぐらい笑えるので、メタル好きにはもちろんの事、メタルを知らない方でもコメディとしてかなり笑える作品です。
『ヘヴィ・トリップ』作品情報
見事に知らない監督に知らない俳優陣ですね笑
監督は本作品が長編デビューのようです。
全然知らない俳優陣だからこそこの映画の良さでもあり、実際に見た目が海外のバンドのメタラーと何ら遜色のない恰好しているので、そのあたりはコメディ寄りではなく見た目や恰好はリアルに再現されています。
普段からKISSみたいなメイクはしていないですけどね(笑)
『ヘヴィ・トリップ』 あらすじ
舞台は何もないフィンランド北部の田舎の村。
毎日退屈な日々を送る25歳のトゥロ (ヨハンネス・ホロパイネン )は、介護施設で働く心優しい青年だが、彼は“終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタル”というジャンルを掲げる、4人組ヘヴィ・メタルバンドのボーカルを務めている。
しかし、バンドと言っても彼らは結成から12年間一度もステージに立った事も、オリジナル曲を作った事もない単なるコピーバンドだ。
だが、遂に自分たちの曲を作るという強い意志を持ち、試行錯誤の末にとんでもないキラーソングが誕生してしまう。
そのキラーソングが出来たタイミングでノルウェーの巨大メタルフェスの主催者がたまたまメンバーの家を訪れ、バンドは千載一遇のチャンスが舞い降りる。
そこでバンド名はImpaled Rektum(インペイルド レクタム)直訳すると直腸陥没(笑)に決め、高速道路の自動速度取締機を使って初のアーティスト写真も撮った。
そして地元のライブハウスで記念すべき初ライブを務めたのだが、緊張したトゥロは大嘔吐するという前代未聞の惨劇に終わった。
ノルウェーのフェス参戦も水の泡と化し、バンドは敢え無く解散する事に・・・
さらにドラムを務めていたユンキが高速道路を爆走中にトナカイを避けて事故で死んでしまう。
トゥロは亡き友人を想い涙し、自身の不甲斐なさを恨んだ。
亡きユンキのため、仲間のため、そして自分自身のため、トゥロはバンドを再結成し、ノルウェーの巨大メタルフェスに乗り込む決意を固める。
残されたメンバーの3人は盗んだバンにユンキが眠る墓地を掘り起こし、ユンキの棺桶を乗せ、精神科病院から新ドラマーを誘拐したのちノルウェーへと逃亡。
フィンランド警察から追われ険しいフィヨルドを駆けながら夢のフェスを目指す。
だが国境では彼らの前にノルウェーの “デルタ部隊”が立ちはだかる。
進め!インペイルド・レクタム!
目指せ巨大フェス!
フィンランドが誇るインペイルド・レクタム誕生の瞬間をこの目に刻み込むのだ!
『ヘヴィ・トリップ』海外の評価は?
映画評論サイトで最も信頼されるサイトとして名高いRotten Tomatoes(ロッテントマト)ではどういう評価がされているのか見てみましょう。
批評家の評価は94%とCertified Fresh(新鮮保証)は受けていませんが、それでもかなりの高評価を受けており、Audience Score(観客の評価)も84%と比較的高評価を得ています。
『ヘヴィ・トリップ』見どころは?
見どころはいくつかあるのですが、まずはフィンランドがなぜメタルの聖地と言われているのかをご説明いたします。
まずフィンランドの片田舎にそんな厨二病全開なメタルバンドなんていないでしょ?と思われる方がいるかと思いますが、フィンランドは人口が約550万人と日本の約20分の1にも満たないすごく小さな国です。
しかし、なんと3,000組ものメタルバンドが存在するというメタル大国なんですよね。
550万人しかいないのに3000組ものメタルバンドが存在するってかなり異常ですよ笑
1バンド4~5人なので兼任してる方ももちろんいるでしょうが、単純計算で約15000人がメタルバンドをやっているとなると、ファンも含めるとかなり比率的にもかなり大衆音楽化してると言ってもいいのではないでしょうか?
そこがフィンランドがメタルの聖地とも言われる所以でもあるので、片田舎にメタルバンドがいても何らおかしくないというのも頷けます。
そういった単なるありえないメタルコメディじゃないという観点から視聴してみるのもおもしろいかもしれません。
あ、片田舎のメタルバンドは全然ありえるっていう話なのでやってる事や行動はコメディなのでその辺りはもちろんめちゃくちゃありえないですよ?(笑)
音楽がちゃんとかっこいいメタル!
自分はヘヴィーメタルはあまり聴く方ではないのですが、最近のメタルコアだったりハードコアは全然聴くので、ヘビメタを聴いた事がないような人が考えたメタルって結構ダサかったりするんですよね(笑)
ですが、今作で使用されている楽曲はどれもレベルが高くてめちゃくちゃかっこいいんです!
作中で使用されているこの曲とかめちゃくちゃかっこよくないですか?
グロウル(いわゆるデス声)もちゃんと声出てるし、リフもかっこいいので曲としてちゃんと聴けるんですよね♪
歌詞は大分コメディに寄せてきてはいますが(笑)
音楽がいいのはそれもそのはずでフィンランドを代表するヘヴィ・メタルバンド、Stratovarius(ストラトヴァリウス)のベーシストのラウリ・ポラーが担当しています。
ストラトヴァリウスは日本の2大フェスの1つであるsummer sonic(サマソニ)のラウド版とも言えるLoud Parkにも出演しているぐらい、日本でも人気が高いです。
作風はメタルコメディではあるけど曲はめちゃくちゃ本家の方が手掛けているので、音楽にも注目して欲しいです♪
まとめ
いかがでしたでしょうか?
前日の記事(ブラックメタル史上最悪の事件を描く『ロード・オブ・カオス』)からの今回はメタルコメディですが、こちらの作風もロードオブカオスの舞台にもなったブラックメタルの聖地であるノルウェーの話が出てくるので、若干カスっています(笑)
同じメタルを題材にしてもこんなに違った作品に出来るのかと思うぐらい振れ幅が大きいですが、興味が出てきた方は是非両方ご覧になって落差を感じてみて下さい♪
以上最後まで読んで頂きありがとうございました!
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